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【400字小説】王様

部活帰りの野球部男子三名が、
定食屋で定食を待っている。
話し込む慶太と潤。
秀明は一人で何かをしている様子。

「ウソ?
あのデブが彩ちゃんと付き合ってんの?
待ってよ~、ショックデカめだわ」

「慶太、マジでショック受けてるし。
でもさあ、石川って性格いいからね」

深く頷く慶太。
「デブだけど」と付足す。

「つーか、ヒデ、何ひとりでニヤケてんだよ」

割箸を手にして、秀明は
薄ら笑みを浮かべていた。
その先には、王様、と書いてある。

「これ、この割箸立てに指しとくの。
誰かが取るじゃない?
すると王様って書いてあるわけ。
ウケない?
そいで、取った人が連れに
『王様って書いてあるよー』って
ウケながら言うわけ。
それを想像すると、たまんない」

「バッカだっね~」と
声を揃えて言う慶太と潤。
大笑いしたいのを必死で堪える。
そこに店員の女性が定食を持ってくる。

「やばい、ばばあが来たぞ。隠せ!」■
by nkgwkng | 2013-12-04 06:25 | 400字小説
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