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「私もそのTシャツ買いました。
ライブとても良かったので。
イースタンユース、私、初めてだったんです。
あんなふうに今を燃やすような演奏、観たことがないです。
一瞬一瞬に命かけているんだなって思いました。
心臓を鷲掴みされましたよ。
自分はあんなふうに命かけて
生きてるかなあって考えちゃった」
シヌの後ろで彼氏が所在なさげにしているので、
イキルは彼に目線を向けた。
それがわかったのかシヌは
「あ、ごめんなさい。この人、私の彼氏です。
私がザゼンボーイズ好きなのは、この人の影響です」。
すると彼氏は作り笑顔で会釈をした。(続く)