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キラッ。

第4回「いつもありがとう」作文コンクール
(朝日学生新聞社主催、シナネングループ共催)で、
広島市立中島小学校1年の片山悠貴徳君(7)が最優秀賞に輝いた。


というニュース。
受賞作が泣けます。
小学生に負けた気分です。
すごいです、この子。



■受賞作の全文


 おとうさんがびょうきでなくなってから三年、ぼくは小学一年生になりました。


 おとうさんにほうこくがあります。きっとみてくれているとおもうけど、ぼくはおとうさんのおべんとうばこをかりました。


 ぼくは、きのうのことをおもいだすたびにむねがドキドキします。


 ぼくのおべんとうばことはしがあたって、すてきなおとがきこえました。きのうのおべんとうは、とくべつでした。まだ十じだというのに、おべんとうのことばかりかんがえてしまいました。


 なぜきのうのおべんとうがとくべつかというと、それはおとうさんのおべんとうばこをはじめてつかったからです。おとうさんがいなくなって、ぼくはとてもさみしくてかなしかったです。


 おとうさんのおしごとは、てんぷらやさんでした。おとうさんのあげたてんぷらはせかい一おいしかったです。ぼくがたべにいくと、いつもこっそり、ぼくだけにぼくの大すきなエビのてんぷらをたくさんあげてくれました。そんなとき、ぼくはなんだかぼくだけがとくべつなきがしてとてもうれしかったです。あれからたくさんたべて空手もがんばっているのでいままでつかっていたおべんとうばこではたりなくなってきました。


 「大きいおべんとうにしてほしい」


 とぼくがいうと、おかあさんがとだなのおくからおとうさんがいつもしごとのときにもっていっていたおべんとうばこを出してきてくれました。


 「ちょっとゆうくんには、大きすぎるけどたべれるかな」


 といいました。でもぼくはおとうさんのおべんとうばこをつかわせてもらうことになったのです。


 そしてあさからまちにまったおべんとうのじかん。ぼくはぜんぶたべることができました。たべたらなんだかおとうさんみたいに、つよくてやさしい人になれたきがして、おとうさんにあいたくなりました。いまおもいだしてもドキドキするくらいうれしくておいしいとくべつなおべんとうでした。


 もし、かみさまにおねがいができるなら、もういちどおとうさんと、おかあさんと、ぼくといもうととみんなでくらしたいです。でもおとうさんは、いつも空の上からぼくたちをみまもってくれています。


 おとうさんがいなくて、さみしいけれど、ぼくがかぞくの中で一人の男の子だから、おとうさんのかわりに、おかあさんといもうとをまもっていきます。おとうさんのおべんとうばこでしっかりごはんをたべて、もっともっとつよくて、やさしい男の子になります。


 おとうさん、おべんとうばこをかしてくれてありがとうございます。
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by nkgwkng | 2010-11-30 21:45 | 雑感<日記>

キモッ。

書こうとしたこと、たった今忘れた。
何書こうとしたんだっけー?

あ、稽古のことか。
昼間っから家で絶叫してる。
キモイ。

でも多分、病気のためには
良いリハビリになっている。

がんばれ、俺。
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by nkgwkng | 2010-11-29 20:09 | 雑感<日記>

無題。

昼寝したいのに嫌なことばかり思い出して眠れん。

幸せとは何かと考えたり考えなかったり。

ううう。

なんじゃろなー。

稽古でもするか。
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by nkgwkng | 2010-11-28 16:23 | 雑感<日記>

やっぱり努力。

2年と2ヶ月、毎日400字小説を書き続けた。
最後の2ヶ月は入院していたから
正確には毎日更新できていたわけではないけれど
病室で毎日書いていたことに違いはない。

うつ病になって入院して
それでも書くことはやめなかったのだから
自分にとって書くことは「好き」以上の何かなのだろう。

だからといってそれを職業にできるわけではない。
自分では努力しているつもりだったけれど
このあいだ芥川賞を獲った女の人(名前忘れた)は
一日に8時間執筆に時間を割いていたようだ。
自分の場合は働いていた時でせいぜい1時間だ。
時間的にそれが目一杯。
ならばと仕事をしないで書くことに専念するほどの経済力もない俺。

でもでも、それは言い訳にしたくない。
どうにか工夫して少しでも良い小説を
書けるようになりたい。

良い小説ってなんだ?
……自分が面白いと思える小説だ、多分。

幸か不幸か病気になったおかげで
時間はあるのだ。
職場復帰までの残り1ヶ月を
書くことに捧げようと思った。

なんのアイデアもないけれど。
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by nkgwkng | 2010-11-27 22:37 | 雑感<日記>

厚岸のおかず

向井秀徳氏の「厚岸(あっけし)のおかず」
という短編集を購入。
面白くて一気に読めた。
感性が面白い。

向井さんとはZAZEN BOYSというバンドをやっている人で
小説書いたらきっと興味深い本になるだろうと
個人的に思っていたので待望の一冊であった。

でもこれなら勝負できると
勝手にライバル心を燃やした俺。

よく考えたら小説書いて15年くらいになるのだな。
よく続いているという希望と
あと何年したら認知されるのだろうという不安。

幸せのハードルの高さを
どのくらいにしとけばいいんだろう、
こういう場合。
あくたがわしょう!
ってイキみ続けた方がいいのか
友だちに喜んでもらえれば嬉しいなと
思えばいいのか。

まあ、いずれにしろ書き続けるのみだな。

厚岸のおかず。
良い作品です。
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by nkgwkng | 2010-11-26 17:05 | 雑感<日記>

【掌編小説】ささやかな花。

「ひまわり、咲かなかったね」

恵子が独り言のように
窓ガラスにもたれかかってつぶやいた。
外は雨降り、秋の長雨しとしと。
テレビでは国際問題についてコメンテーターが
神妙な顔つきで話している。
「来年は今年よりも早く種を蒔けばいいんだよ」と
小学六年生の優風(ゆうか)が言った。

「まるで大人みたいなこと言うんだな」

「お父さんみたいに子どもじゃないもん」

そう言っていたずらっぽく笑った優風を
かわいらしいと思うのは、
おそらく親ばかというのだろう。

俺はうつ病で退院したばかりだった。
十階建てのマンションから飛び降りようとしたが
怖くなって飛ぶことができなかった。
今でも足元に広がる景色を鮮明に覚えている。

「コスモスもこの前のすごい雨で
全然ダメになっちゃったね」

自殺を考えたのは生きていること自体がつらかったからだ。
会社に行けば上司に怒鳴られてばかりだったし、仕事もできなかった。
残業続きで家族の時間が持てなかった。
10代の頃持っていた夢は世間知らずだったけれども、
それでも、希望に満ちていて、
でも今は特にやりたいことも見つけられず、
39歳になってしまった。

「そもそもお母さんみたいな
めんどくさがりな性格の人が花を育てるなんてムリなんだよ」

誰に似たのか優風は口が達者で困る。

「だからひまわりとコスモスにしたんじゃない。
土が悪かったのかもね。
来年は土も入れ替えないとダメだろうな」

「それ、誰がやるの?」

「それは、」とふたりの視線が俺に向けられた。

「……はいはい、そうですか、
わかりましたよ、私がやります」

そうは言ったものの来年の初夏のことなど
先のことすぎて考えられなかった。

「また病気がぶり返して入院してなきゃいいけれど」

そう言うと恵子が語気を強めてこう言った。

「そういうことは現実になってしまうから
口にしたらいけない。病気はもう治ったの」

「そうだよ、お父さんはもう大丈夫」

俺は言葉を返せない。
もう大丈夫だと言って
恵子と優風を安心させたいという気持ちと、
本当はまだ精神的に不安定だと
正直に話したい気持ちが葛藤を生み出した。

「でも先の話すぎるかもだね。
今日とか明日をどう楽しく過ごせばいいか
考えるだけで精一杯だよね。
てゆうか、それが正しい生き方なんだろうし」

俺の葛藤を察したのか恵子が言った。
テレビでは人気のお笑い芸人が出演しているカップラーメンのCM。
「これからどこに行く?」と優風。

「お昼、外で食べようか?」

「それ、お母さんがご飯作るのめんどくさいだけじゃない?」

「バレたか」

ふたりの漫才のような
テンポの良いやりとりを聞いているだけでよかった。

「お父さんは何を食べたい?」

優風の質問に俺は「そば」と即答した。

「またぁ?」

恵子と優風が口を揃えて嫌そうに言ったので、
思わず笑ってしまう。
俺の笑い声を聞いて、ふたりも笑った。

「訊いたわたしがいけなかった」

「じゃあ、種買いに行こう」

「はぁ?」

「だから、これからでも間に合う
何かの花の種を買いに行くんだよ」

その言葉を優風は無視する。

「わたしはまわるお寿司が食べたい」

「うちにそんなお金はありません」

「すまんね、ダメ亭主で」

今日は笑いが絶えなかった。
こういうささやかな時間が幸せというものなのだろう。
俺の心にあった種は、
毒々しい赤と闇よりも深い黒の花を咲かせた。
見たのだ、屋上の淵から真下をのぞいた時、
一面にそれが咲いているのを。

「じゃあ、しょうがないからそばにしようか」

「しょうがないって言うな」

その花は枯れて、それでも種を残して死んだ。
またいつ発芽するかわからない。
だけれども、自分が持っているのは、
そんな種だけではないということだ。
救われる。それは穏やかに咲くささやかな花。

「じゃあ、さっそく出かけようよ」

「その前に掃除機かけるから、優風手伝って」

「えー、めんどくさい」

雨はまだ降っていた。
テレビは天気予報。
「正午過ぎから全県で晴れるでしょう」と
アナウンサーが話している。(了)
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by nkgwkng | 2010-11-26 16:43 | 掌編小説